2013年11月29日金曜日

喜んでもらえる贈りもの


お歳暮、お年賀、お中元、各種お祝い事‥日本は贈り物をする機会がとても多いですね。

それにクリスマス、誕生日、母の日、父の日、夫婦の日、銀婚式、結婚式など家族のお祝いや、日本の伝統にはなかったイベントが加わって、楽しいやら忙しいやら。

あまり親しくない相手の場合、食べたり飲んだりして消えてなくなるものを贈る場合も多いようです。たしかに賢明な選択でしょう。

でも、相手の好みを知っている場合、いつまでもとっておけるものを贈るのも、心がこもっていると思います。
自分のことを考えて選んでくれたんだなぁ、と。

たとえば、犬の好きな方には犬の顔を織り込んだインテリア・ファブリック。


猫が好きな方には猫。



お疲れさまと言ってさしあげたい方には、ほっこりしたインテリアグッズでやすらいでいただけますように。

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2013年11月21日木曜日

ヨーロッパのクリスマス・デコレーション*クレッシュ


ヨーロッパのクリスマスで、ツリーと並んで人気があるのがクレッシュ。
クレッシュとは、イエス生誕の情景を人形や家畜小屋の模型で再現したもので、ツリーの下や、棚の上に飾ります。

幼子イエスは、宿屋が満杯だったため、馬小屋で生まれ、飼い葉桶の上に寝かされたと聖書にあります。
ラテン語で飼い葉桶はcripiaというそうで、フランス語のcrecheの語源となっています。

今クレッシュというと、保育園の意味でもあります。

さて、クレッシュをクリスマスに飾る習慣がいつ始まったかについては‥やはり色々な説があります。

フランス語版ウィキペディアによれば、1223年、サン・フランチェスコが、洞窟の中にしつらえた庵の中でクリスマスの説教を行い、村の人々が、マリア、ヨセフ、羊飼い、東方の三博士、村人の役を演じたとあります。
動物の役も、本物の家畜によって演じられた(?)そうです。

つまり、最初のクレッシュは置き物ではなく、生き物だったのですね。

今日のクレッシュに似たものが教会に飾られるようになるのは16世紀、イエズス会の人々が始めたそうです。

今でもクリスマスの前になると、大小のクレッシュが、教会や広場、家庭に現われます。でも、小さなイエス様を置くのは25日になってから。

それまで、マリア、ヨセフ、羊飼いたちは、じっと待っています‥

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2013年11月19日火曜日

ヨーロッパのクリスマス・デコレーション*クリスマスツリー


クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝うお祝いですが、ツリーを飾る行事は、クリスマスのお祝いが始まるずっと前から行われていました。

ツリーの由来には色々な説がありますが、フランス語版ウィキペディアには次のような説明があります。
北欧やケルトの民は、冬のお祭りに、木、特に葉がなくなることのない針葉樹を、永遠の命のシンボルとして使いました。
ロウソクやリボンで飾ったり、木の実や麦を飾ったそうです。
キリスト教の発展とともに、民間信仰の習慣がキリスト教のものとして同化されたということです。

ヨーロッパでは、クリスマスになると、信者であろうがなかろうが、家族が一同に顔を合わせてお祝いをします。
子どもを連れて祖父母のところに集まるという一家も多いようです。
子どもたちにとっては、誕生日と同じくらい大切な日です。

子どものいる家庭では、ほとんどの場合、クリスマスツリーを飾ります。
市場や花屋、スーパーでもみの木を買って来る人が多いです。
「クリスマスツリーは子どもが見上げるくらい大きくなくっちゃ」と言う人もいます。

もみの木は、生木です。
庭があれば木を植えることもできますが、都会に住んでいる人の場合、たいていは切った木を家の中に飾るようです。

こう書くと、残酷でもったいない気もします。
しかし、ほとんどはクリスマスのために栽培された木であり、消費が植樹を促すため、環境のためには、石油で作ったプラスチックのツリーよりも良いようです。

ツリーは年明けまでとっておく人がほとんどです。
家の中にもみの木の香りが漂い、気分が良いものです。
キリスト教では、クリスマスの12日後、東方の三博士が来た日に取り外すということになっているようです。

子どもたちのクリスマス休暇が終わって再び学校に行く頃、歩道には捨てられて、集められるのを待っているもみの木がいっぱい。
国によっては、リサイクルして肥料にするそうです。

子どもたちの中には、仲良くなったもみの木とさよならするのが辛いという子もいます。
我が家もその例にもれず、切った木は捨てなければならないのでもう買うのをやめました。
バルコニーに小さなもみの木を植えて飾ります。
子どもがもっと幼かった頃は、大きなもみの木を買って来て飾っていたのですが、子どものためと言って、子どもが喜ばないことをするのは変ですから。
もみの木は家の中に入れると弱るため、クリスマス前後の3日間だけ、家の中の暖房から離れたところに置いて楽しみます。

小さいながらも酸素を吐き出し、数々の小さな命の住処になってくれるバルコニーのもみの木。

ツリーに吊す飾りは人それぞれです。
イリュミネーションをいっぱい付ける人、年によって色のテーマを決める人、素朴な飾りを好む人‥

我が家の小さなもみの木には、重い飾りは付けられません。
でも、ベルギーはさすがにレースの国。
レースのクリスマス・デコレーションもあります。

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2013年11月14日木曜日

貴婦人と一角獣の涙


「貴婦人と一角獣 我が唯一の望みに」。天幕に点々と見える金色の模様は、涙のしずくを表すのだそうです。

なぜ涙が?

「貴婦人と一角獣の謎」でご紹介したジェルソン神学から考えると、悔い改めの涙ということになりますが。

中世最大の詩人で破滅的な人生を送ったフランソワ・ヴィヨンの詩にも、五感と心をテーマにしたものがあり、悔恨の涙という言葉が見当たります。

天幕は、中世の騎士文学の中で、しばしば人間の世界と神の世界との境界を象徴するものとして使われていました。

ということは、宝石類を箱にしまって天幕に入ろうとする貴婦人は、過去の行いに悔恨の涙を流しているのでしょうか。

ちょっと待って待って!それだったら、その前の5枚のタペストリーはどうなるの?美しい五感の世界を否定してしまうということ?

だとすると、五感のタペストリーをかくも美しく描いたのはどうして?五感をおとしめるような表現は、一つも見当たりませんでしたが。

もう一度、天幕の「涙」を見てみましょう。

涙にしては、ちょっと変わった形ではありませんか?

実はこれは炎でもあるという説があります。

人間的な情熱の炎。

二つの相反するものに魅かれている心。

天幕の外にも、中にも魅かれながら、敷居に佇む貴婦人。

そう考えると、なんだかわかるような気がしますが、皆さんはいかがですか?

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2013年11月10日日曜日

油絵の複製


展覧会を見に行って、気に入った絵の記憶を持ち帰りたいと思うことはありませんか。

それでポスターや絵はがきを買って、がっかりしてしまうことはありませんか。

てらてらと光って、本物を見たときの感動を思い出すよすがとならないのです。

その点、タペストリーによる複製には質感があります。

特に、ゴッホやモネ、ルノワールといった印象派の画家や、クリムトの黄金の時代をタペストリーで複製にすると見事です。

様々な色の糸を微妙に組み合わせるタペストリーと、様々な色の絵の具を、時に混ぜないで画面に置いていく印象派。

金糸銀糸をふんだんに使ったタペストリーと、金箔を使ったクリムトの黄金の時代。

ユネスコの世界遺産である、ラスコーの洞窟壁画やピラミッドの壁画も、タペストリーによる複製がおススメです。

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2013年11月8日金曜日

そのベルギー・レース、どの国で作られたの?

旅行でベルギーに行って、レースをお土産に買う方、ご用心です。

けっこう上品なお店でも、ベルギー・レースに混じって、中国製のレースなどが売られています。

中国にも、スワトウ刺繍など、中国にしかない高級品があります。
また、レースにしても、中国レースと知って購入するなら納得ですが、ベルギー・レースの専門店だから、全部ベルギー製ではないのです。

良心的なお店は、「これはベルギー製、これは中国製」とか、「これは手作り、これは機械で作られたもの」と、こちらが聞かないでも説明してくれますが、黙っている分には詐欺ではありませんから。

値段や見た目の感じ、縫製がていねいかどうかで、素人が見ても簡単にわかることもありますが、ちょっと目にはわからない場合もあります。

心配な時は、お店の人に率直に訪ねてみるのがいいでしょう。
 ベルギーのお店の人は、フランスと違って、たいてい英語が喋れます。

(ベルギーの主な公用語はフランス語とオランダ語で、オランダ語は、フランス語よりずっと英語に近いせいかもしれません。
もっともフランスも、観光客が来るお店の人は、英語が喋れますね。)

ちゃんとしたお店なら、正直に答えてくれると思います。

ベルギーの他、他のヨーロッパの国々にもレースの名産地があります。

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2013年11月7日木曜日

モネの庭



ジベルニーの庭。

モネがジベルニーに引っ越したのは、42歳の時でした。いくらか絵が売れるようになり、ようやく狭い家から広々とした空間に住むことができるようになったのでした。

最初の妻カミーユはもうこの世にありませんでしたが、二人の子ども、そして後に再婚することになるアリスとその六人の子どもという大所帯でした。

この頃モネはまだ有名な画家ではなく、生活が豊かになったわけでもなければ、ジベルニーを買ったわけでもありませんでした。

モネは庭に多くの花を植えましたが、同時に野菜畑も作りました。夕方の水まきと草抜きは子どもたちの仕事で、子どもたちにとっては楽しいだけではなかったようです。子どもたちは、鳩や七面鳥の世話もしました。近所の川で魚も釣りました。もちろん、楽しいこともたくさんありました。泳いだり、スケートをしたり‥

ジベルニーは、楽にパリまで日帰りできる距離でもあり、画商や画家仲間に合うのに便利だということも、モネにとって好都合だったようです。

やがて彼は画家として大成功を収め、家と庭を買い取り、パリどころかアメリカからまで画商がやってくるようになりました。

庭師が雇われ、子どもたちは庭仕事から解放されました。

モネはよく庭で絵を描きました。アリスの娘ブランシュは絵が大好きで、いつもモネのお供をしたそうです。彼女は大人になってからも絵を描き続け、若くして夫が亡くなると、モネのもとに戻り、再び彼を手伝いました。

モネは滅多に自分の作品に満足することがなく、気に入らないと、庭で絵を燃やしたそうです。そんなふうに燃やされた絵は、たくさんあったそうですよ‥

この庭でモネは、睡蓮の連作や日本の橋など、数々の名作を生み出しました。

冒頭の映像は、モネの絵ではありません。写真でもありません。ジベルニーの池を再現したタペストリーの一部です。

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2013年11月6日水曜日

家族へのクリスマス・プレゼント

子どもへのプレゼントを選ぶのは楽だ。
何が欲しいかちゃんとわかっている。
欲しいモノがありすぎて困るくらい。

母へのプレゼントもそんなに困らない。


いつも一番頭を悩ますのは、父へのプレゼント。
もうプレゼントなんか欲しくないのだから始末が悪い。

一番喜ぶのは、孫の顔を見ること、に決まっている。
その他のことは、全て二の次なのだ。

かといって、孫を小包に詰め込んで送るわけにもいかないし、写真を送るだけ、というのも物足りない。

孫がいないときでも、楽しい気分になれるものはないか。

家の中で過ごす時間が多くなってきたので、家の中の居心地を良くするもの。

気持ちが和む絵とか。

父の好きなルノワールは買えないけど。
安っぽくない複製なら、きっと目を細めてくれる。


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いいプレゼント、きっと見つかります。

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2013年11月4日月曜日

モネの「ひなげし」

夏の散歩。赤いひなげしの花が咲き乱れる。長く伸びた草に胸まで隠れて。

花はひなげしでなくてもいい。草の匂い。風。空。光。

そんな感覚を見事に描き表したモネの「ひなげし」。最初の妻カミーユと当時6歳だった息子のジャン•ピエールが野原を歩いて行きます。

同じ絵の中で、親子は二カ所に現われます。中世の絵のように、同じ登場人物が、時間の流れにしたがって、二回姿を現わしているのです。

ひなげしは、近づいて見れば、ほとんど赤い点々にすぎないのですが、絵全体として見た時、花の咲き乱れる野原を、これほど生き生きと呼び覚ましてくれる絵は、他にないかもしれません。

この絵は1873年に描かれ、翌年、印象派の画家の絵を集めた最初の展覧会「落選展」で展示されました。

カミーユは、18歳でモネと出会い、32歳に結核で亡くなるまで、幾度となくモネの絵のモデルとなりました。ルノワールが描いた彼女の肖像もあります。

印象派の画家たちがまだ世に認められていなかった時、エルネスト・オシュデというモネたちの友人が、印象派の絵を買い集め、画家たちの経済的な支えとなっていました。

パリのシックな商店を経営し、夏は田舎にある城で過ごしていたエルネスト。しかし、実は彼の店は赤字で、1877年、ついに破産してしまいます。エルネストは逃げるように国外に去り、彼の妻アリスは一人残されます。5人の子どもと、お腹の中の6人目を抱えて。

モネ夫妻は、パリのアパートを借りるお金はなかったので、苦しい時を乗り越えるために、普通の人が夏だけ過ごす粗末な家を、地方で借ります。アリスも、子どもたちと一緒にそこに移り住んだのでした。

全部で8人の子ども。狭い家で、ひしめき合うように暮らしていたのでしょう。

でも、「ひなげし」の中で、カミーユとジャン•ピエールは、広々とした野原を気持ち良さそうに渡って行きます‥

冒頭の写真は、この絵をタペストリーで再現した複製の一部です。タペストリーは、印象派やクリムトの黄金時代、壁画などの複製に特に向いているようです。

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2013年10月31日木曜日

貴婦人と一角獣の謎


「貴婦人と一角獣」には、まだわからないことがいっぱいあります。

たとえば、6枚のタペストリーの意味。

研究者たちは、1920年代には、 5枚のタペストリーが五感の寓意なのだろうということで、だいたい一致していました。

一番の謎は、6枚目の「我が唯一の望みに」。

貴婦人と侍女の後ろにある天幕に、はっきりと織り込まれているこの言葉は何なのか。

これに関しては色々な説があり、どれが正しいのか、まだ決着はついていないようです。

しっくりするのは、15世紀の神学者ジャン•ジェルソンの思想の影響だとするもの。ジェルソンは、1402年に6つの感覚について語っています。

その中でジェルソンは、5感は体の感覚で、心は内なる感覚だと言っています。その上で、一番大事なのは心で、心は理性の助けを借りて、他の感覚の模範となり、魂を守らなければならないと説いています。

愛、情熱、意思のありどころである心は、ジェルソン神学の中心の一つで、6つの感覚というテーマは、彼の著作に繰り返し現われます。

魂を何から守るのかといえば、ジェルソンは贅沢を例に挙げています。
だとすると、6枚目のタペストリーで、貴婦人がアクセサリーを外し、宝石箱の中に置くシーンも納得がいくと思います。

もっとも、「我が唯一の望みに」は1枚目のタペストリーであり、貴婦人はアクセサリーを置いているところではなく、手に取っているところなのだ、という解釈もあります。

様々な解釈に決着がつき、全ての謎が解ける日はあるのでしょうか。

決着がつく必要も、ないのかもしれませんね。

(今日の記事は、1999年に発表されたジャン•パトリス・ブーデの記事を元にしています。)

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2013年10月29日火曜日

「貴婦人と一角獣」とジョルジュ・サンド


前に、「貴婦人と一角獣」はジョルジュ・サンドとプロスペール・メリメのおかげで文化遺産として保護されることになったと書きました。

サンドは、このタペストリーについて色々な文章を書き、その芸術的、技術的クォリティーを讃えています。それによると、彼女が見たとき、タペストリーは8点あったということです。いつの間にかそのうちの2点は失われ、今日私たちが目にすることができるのは、6点のみになったのでしょうか。

男装で知られた彼女は、貴婦人の衣装についても触れています。それぞれのタペストリーの中で、貴婦人はその都度異なる衣装を身に着けています。中世の貴婦人は、朝の衣装、狩りをする時の衣装、舞踏会に出かける時の衣装、宮廷で着る衣装、といった具合に、しょっちゅう着替えをしていたからだと彼女は考えました。そして、衣装が細部にわたって忠実に再現されていることに感嘆します。

「貴婦人と一角獣」に作家としての想像力を大いに刺激されたジョルジュ・サンドは、タペストリーの由来について色々と思いを巡らせました。

例えば、15世紀末のスルタン、バヤジット2世との権力抗争に破れ、ヨーロッパに幽閉されていたスルタンの弟、ジェムの館を飾っていたのだろう、タペストリーの中の女性は彼が愛した女性だったのだろうと書いています。(1847年Illustration誌掲載の記事より)

エキゾチックなトルコの王子の運命が、ロマン派の作家サンドの気に入ったことは、想像に難くありません。

サンドの推理は当たっていなかったわけですが、彼女が何度も「貴婦人と一角獣」について書いたことで、このタペストリーは有名になりました。

1876年にサンドが亡くなったとき、作家のエルネスト・ルナンは彼女を惜しんで書きました。「彼女は実際的なことで間違った判断をすることがあったとしても、芸術家としては、決して間違えることはなかった。」

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2013年10月28日月曜日

ハロウィーンと黙示録

フランスやベルギーなどカトリックの国では、 英語圏 のプロテスタントの国とちがって、ハロウィーンに子どもたちが仮装したり、かぼちゃを飾ったりする伝統はありません。

とはいえ、近年では、アメリカ風のハロウィーンを楽しいと思う人がフランスにも増えて来て、このシーズンになると、お店のショーウィンドーにもかぼちゃや魔女が並びます。

フランス語でハロウィーンはトゥーサン、全ての聖人という意味です。日本語では万聖節と訳されているようです。万聖節はカトリックのお祝いで、11月1日は祝日、学校は10月末から11月始めまでお休みとなります。翌2日は死者の日で、お墓参りに行く人も多いようです。カトリックの国の中には、夜の間、お墓にロウソクを点しておく習慣もあったようです。

教会では、ヨハネによる黙示録の中で、キリストの勝利と聖人たちの栄光を記した部分や、山上の垂訓を読みます。

黙示録といえば、フランスには、14世紀の末に作られたと見られる有名なタペストリーがあります。フランスの至宝は、貴婦人と一角獣だけではないのですね。

今でも、アンジェ城にしつらえられたギャラリーで見ることができます。作られた当初は、6枚の連作をつなぐと、全長140m幅6mに及ぶ超大作でしたが、その後保存状態が悪く、失われてしまった部分もあります。それでも全長104mですから、やはり大作ですね。

人物や天使の他に、頭がいくつもある怪物や、想像上の動物が活躍し、中世の想像力の底の深さを感じます。

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2013年10月26日土曜日

キュートなハロウィーン

キュートなハロウィーンにしたかったら、黒ではなく白いレースが使えます。

お子さんのハロウィーンの衣装も、頭の先から足の先まで全部作るのは大変ですが、ちょっとした工夫で、シンプルなTシャツやドレスがハロウィーン用に。

前回書いたように、要らなくなったレースのカーテンの切れ端を使ってもいいですし、幅の広いレースのリボンを買って来てもいいですね。

白やピンク、好きな色のレースでアップリケを作ります。ゴーストの形や、子どもがシーツを被ったような形に切り抜いて、目と口に丸く穴を開けます。色の違うレースを横縞に並べて、ストライプのゴーストを作るのもいいでしょう。それを、シンプルなTシャツやドレスに付けるのです。レースの色が映えるTシャツにするのが秘訣。

女の子なら、おばけの頭の部分に小さなリボンを付けるのも喜びそう。

男の子なら、レースをクモの巣の形(八角形の尖ったような)に切ってもいいでしょう。

これなら大人にもいけます。

ハロウィーン・パーティーの一日だけではなく、普段も着られそうですね。

まだ間に合います。楽しいハロウィーンを。

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2013年10月25日金曜日

ハロウィーンの飾り付けと仮装



ハロウィーンまであとわずか。

お家に要らなくなったレースがあったら、簡単に飾り付けや仮装が作れます。

もう使わない化繊のレースのカーテンはありませんか。黒や濃いグレーに染めてみましょう。怪しげな雰囲気に早変わり。

テーブルの大きさに合わせて切って、テーブルクロスの上に重ねます。クロスの色は、黒が映える淡い色の他、赤やオレンジなど、ビビッドな色がいいですね。もちろん、テーブルの色によっては、下に置くクロスは要りません。その他にも、かぼちゃを包んだり、花瓶を包んだり、色んなものを包んでみてください。

肩の上に羽織って、魔女のショールにするのもいいですね。

その他、工夫次第で色々に使えます。

ロウソクの火にはくれぐれもお気をつけ下さい。

まだ間に合います。お金をかけずに楽しいハロウィーン。

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2013年10月24日木曜日

花嫁のハンカチ

ヨーロッパやアメリカでは、結婚式に特別なハンカチを持つ女性が多いようです。結婚のお祝いとして、家族や友人、そして婚約者から貰う人もいますし、自分で気に入ったものを買う人もいます。

花嫁は、喜びの涙を拭ったり、新郎の喜びの涙を拭ってあげるのに使います。

実は、結婚式のハンカチという習慣は、ローマ時代に始まったものだそうです。

ローマ時代には、涙を拭うためではありませんでした。ハンカチに香水をしみ込ませ、顔を拭いてから、首の周りに巻いていたそうです。きっと大きなハンカチだったのでしょうね。香水の香りが一日中花嫁の周りに漂っていることもあったとか。

この習慣はローマからヴェニスへ、そしてフランスへと伝わりました。フランスでは、花嫁のハンカチは高価な生地で作られ、刺繍で飾られるようになり、やがてはレースになります。レースや刺繍のハンカチは贅沢品であり、王侯貴族や裕福な人だけが持つことのできるものでした。何世紀もの間、美しいハンカチは富裕層の特権でしたが、今では、持ちたい人が持てばいいのです。

最初にヨーロッパからアメリカに渡った開拓移民たちは、花嫁の涙は福をもたらすと語り伝えました。涙は雨に通じ、畑に雨が降って豊かな収穫が得られるというわけです。

ブライダル・ベールのように、美しいハンカチを代々伝えていく女性たちもいます。アイルランドの伝統では、結婚式が終わり、赤ちゃんが生まれると、赤ちゃんの帽子にブライダル・ハンカチーフを縫い付け、洗礼式などに被せるそうです。そして、赤ちゃんが大人になったら、花嫁となるときに、やはりそのハンカチを持つのだそうです。(もちろん、帽子に縫い付けたのをほどいて、ハンカチだけ持つのです)男の子だったら、フィアンセにあげるのでしょうね。

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2013年10月22日火曜日

貴婦人と一角獣の小さな花たち


貴婦人と一角獣の背景を埋め尽くす花々。ミル・フルール(千花模様)については以前書きましたが、それぞれの花の特徴を捉えて生き生きと描かれた花々は、どんな植物がモデルとなっているのでしょうか。

ミント、すみれ、ひなぎく、なでしこ、つるにちにち草が見分けられるそうです。 実際に中世末期の貴族の庭にあった花々で、当時の庭が偲ばれるとか。

「タペストリー」という本の中で、ポール・マリー・グランは、貴婦人が空飛ぶ絨毯に乗っているようだと書いています。その「絨毯」の上にも花々が。

現実的に考えると、行列の時や城の中で、王侯貴族の足下に花束をばらまいた習慣と関係があるかもしれません。

でも、植わっているように見えるんですよね。木も植わっていますし。

あれが無かったら、本当に人物たちは浮遊してしまうから、地に足をつけるために、地面を少し付けたのかもしれませんね。

何なのでしょう、あの絨毯‥

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ミル・フルール(千花模様)


ミルはフランス語で千、フルールは花を意味します。
 ミル・フルールは中世ヨーロッパでとても人気のある模様で、ありとあらゆる種類の花でできています。
絵画や工芸に盛んに使われました。
ミニアチュールで飾られた写本の縁取りや、タペストリーによく見られます。
最盛期は15世紀から16世紀で、フランスやオランダで特に流行しました。
作る方にしてみれば、どんな形、どんなサイズのタペストリーにも使えるので、とても便利だったのですね。
当時の美意識にも呼応していました。
特に、王侯貴族の寝室やベッドを飾るのに使われたそうです。
1598年に亡くなったスペイン王フィリペ2世は、701点ものタペストリーを持っていましたが、その40%は、ミル・フルールが背景となっていたということです。 

本場ヨーロッパのタペストリーとレース

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貴婦人と一角獣の魅力


日本でも展覧会が開かれた、タペストリー「貴婦人と一角獣」。 まずざっと、この作品を巡る歴史的事実をさらってみましょう。

「貴婦人と一角獣」は、1484年から1500年の間にフランドルで織られたと言われています。誰が作らせたのかについては異論がありますが、タペストリーの中に描かれた旗に見られる紋章から、ルヴィスト家の長男ジャンか弟のアントワーヌということになっています。今はアントワーヌ説が有力のようです。

アントワーヌ・ルヴィストは、イタリアへ戦争に行くフランソワ一世のお供をしたり、ルイ十二世の下で働きました。スイスやイギリスに外交官として派遣され、戦争の後始末をして条約を結んだりしています。

その後3世紀以上、タペストリーは様々な人の手を転々とします。

そして1835年から1840年の間に、作家のジョルジュ・サンドが、シャトー・ド・ブサックでタペストリーを見て感嘆。当時の恋人で、やはり作家のプロスペール・メリメにその話をしたようです。メリメは文化遺産の視察官をしていました。彼はシャトー・ド・ブサックを訪ね、このタペストリーを文化遺産として正式に登録しました。

彼らのお陰で、わたしたちは今、この傑作を目にすることができるのですね。

さて、このタペストリーのどこが、今でも人々を魅了するのでしょうか。

「貴婦人と一角獣」は、6点のタペストリーで構成されています。 ミル・フルール(千花模様)の敷き詰められた背景に、一人か二人の人物がいます。彼女たちを、様々な動物が囲んでいます。一角獣やライオンの他に、猿やオウム、そしてヨーロッパで普通に見られるウサギや鳥もいます。

ミル・フルールを背景に使ったタペストリーは、この時代にはたくさんありましたが、「貴婦人と一角獣」のミル・フルールは、一つ一つの花が、個性的に表現されています。ただ機械的に花で埋め尽くしたミル・フルールとは、格段の差があります。

また、それぞれの動物の動きを追ってみましょう。 猿が花かごの上に乗って花の香りを嗅いだり、貴婦人がオウムにお菓子を取ってやったり、ウサギが後ろ足で立って何か食べていたり、細かいところまで、とても生き生きとしています。

人物はいつも浮き島のようなものに乗っています。「想像力が駆け巡る空飛ぶ絨毯のようだ」と言う人もいます。 確かに、遠近の無い画面の中で、この「島」は 浮遊しているような印象を与えます。

全てが夢の中のようです。

中心人物の女性はたおやかで、貴婦人と呼ばれるのに相応しい気品があります。 どこを見ても引きつけられるものがあり、いつまで見ていても飽きません。

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2013年6月21日金曜日

レースのお手入れ




レースの付け襟やテーブルセンター、いつまでもきれいでいてほしいですね。

綿や麻のハンドメード・レースは、水でやさしく手洗いしていただくのが一番です。
よくゆすいで、絞らずに押すように水気を取り、陰干ししてください。
洗っても取れないシミが付いてしまったら、漂白剤を十分に薄めてコットンに取り、シミの付いている部分に叩くように付けてください。
その後十分にゆすぐか、洗ってください。
漂白剤が生地に残ると傷みの原因になりますので、よくゆすぐのが重要です。
長い間漂白剤に浸けると生地を傷めるので注意してください。
付いた汚れは、なるべく早く取るのが一番簡単です。
忙しくてすぐに洗えないときは、水に浸けておいて、後でちゃんと洗うのもいいでしょう。
商品によっては、洗濯用のネットに入れて、洗濯機のウール用プログラムで洗うこともできますが、おススメではありません。

大事に扱うと、レースは何世代にもわたって楽しんでいただけます。

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2013年6月20日木曜日

タペストリーのお手入れ


せっかく買ったタペストリーの壁掛けやクッションカバー、いつまでもきれいでいてほしいものです。

埃が溜まったと思ったら、揺すったり、掃除機をかけて埃を取ってください。
煙がかかる所にタペストリーを掛けてある場合は、4年に一度くらい洗うのがいいでしょう。
ジャカード織機で織ったタペストリー(タペストリーで作ったクッションカバー、バッグ類を含みます)は、ドライクリーニングをお薦めします。
私どもの経験では、ウーライトなどのウール用洗剤で手洗いしても、生地を傷めずにきれいになりました。
洗濯機では絶対に洗わないでください。
洗ったら、干して乾かします。
乾燥機には 絶対に入れないでください。

大切に扱うと、タペストリーは何世代にもわたってお楽しみいただけます。

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くつろぎを贈りたいから


適度なストレスは、生活のはりにもなりますが、過度なストレスは、何らかの方法で解消しなければなりません。

家でゆっくりくつろぐのも、一つの方法ですね。
くつろぎやすい雰囲気を作るために、インテリアを工夫するのもいいでしょう。

ていねいに手間をかけて織られたタペストリー。
タペストリーを掛けたら、部屋の中の時間がゆったりと流れるかもしれませんね。
光の加減によって、1日の時間によって、表情を変えるタペストリー。
部屋の壁に掛けてもいいですし、手軽に取り入れたければ、タペストリーのクッションカバーを置くのもシャレています。

好きな音楽を聴きながら、好きなドリンクでリラックスして、タペストリーの織り目に目を遊ばせる‥

そんなひと時を、誰かにプレゼントするのもいいですね。

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2013年6月19日水曜日

タピストリーはこんなところに掛けられます



ゴブラン織りのタペストリーはどこに掛けたらいいのでしょう


日射時間や温度、湿度が極端でなければ、屋内の大抵の場所にかけられます。
客間、居間、ダイニングの他、クリニックや医院の待合室、会社の受付、会議室、応接室、階段の踊り場、ホテルのロビーなど、タペストリーが活躍できる場所はたくさんあります。

長い間タペストリーの美しさを保ちたければ、一日中日が当たる場所は避けた方がいいでしょう
一般に、キッチンやお風呂場も避けた方がいいと言われています。
換気が十分にできるキッチンであれば、掛けられないことはありませんが、煙や湯気、熱気が当たらない所にしてください。 
タペストリーは臭いを吸い込んでしまいます。
お風呂場の場合も、換気に十分気をつければ、絶対にいけないというわけではありません。

ゴブラン織りのタペストリーを壁に固定するには


平たい棒(または幅が狭く長い板)を用意してください。
タペストリーの重さをしっかり支えられれば、材質は木でもプラスチックでも金属でもかまいません。
タペストリーの裏地に付いている通し穴に通る幅でなければなりません。
棒の両端に穴を開けます。
幅の中央に開けるよう気をつけてください。
タペストリーを掛ける壁に棒を当て、穴のところに印を付けます。
印を付けたところにネジや鉤、フックを付けます。
棒をタペストリーに通して、付けた鉤に掛けます。
この方法が一番安価で、壁にぴったり掛けられます。

見えてもかまわないきれいな木や金属の棒を通すという手もあります。
その場合は、棒をタペストリーの幅より長めにします
棒の両端を掛けられるよう、壁にフックを取り付けます。


いずれにせよ、壁に穴を開けるかフックを貼ることが必要です。
壁に跡が付くのが心配な方は、タペストリーで作ったクッションを置いて楽しむのも一つの方法です。

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ヨーロッパの職人が作ったゴブラン織りのタペストリーとクッションカバー

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