2017年12月24日日曜日

夏目漱石とペット

ハンドメイドで丁寧に作られたリネンの小鳥のオーナメント

夏目漱石と言うと、猫ですね。

でも、夏目漱石には『文鳥』と言う短編小説もあります。

ただこの小説、文鳥が好きな方には絶対にお勧めできません。
夏目漱石が嫌いになってしまうと思います。
ここには大変身勝手で、ひねくれた小説家の姿が描かれています。

しかし、この小説の中の「私」とは、本当に漱石自身のことなのでしょうか。
小説家と言うものは書き始めたらフィクションの世界に入ってしまうものです。
小説の中の「私」がそのまま作家自身だと思うのは単純すぎるでしょう。
漱石の娘さんの思い出を読んだことがあります。
今手元にないのですが、文豪の普段の姿が描かれていました。
娘さんの思い出の中では、漱石は動物に対しても温かい心を持っていました。
文鳥が死んだ原因も、この思い出話と小説『文鳥』の中では異なっています。
娘さんの話では、漱石は文鳥の死を素直に悲しみ、子供たちにお墓を作ってあげるように言ったとあります。

漱石の家の跡には猫塚と呼ばれるものがあります。
吾輩は猫である」の猫の墓だという俗説もありますが、実は漱石の家で飼われていた様々な動物のために作られたといいます。
小説の中に出てくる「私」が漱石の実像に近いのか。
それとも娘さんの思い出の中の父が本当の漱石なのか。
または小説の中の文鳥と娘さんの話の中の文鳥は、別の文鳥なのか。

いずれにしても、小説は小説として純粋に味わい、文鳥は文鳥として純粋に愛したいものです。



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